Q & A |
商標Q&A
Q1.商標権を取得したので、その旨を商品に記載したいのですが、どのように記せばよいですか?
A1.指定商品若しくは指定商品の包装、若しくは、指定役務の提供の用に供する物、に登録商標を付するとき等は、商標登録表示を付するように努めなければなりません(商標法第64条)。具体的には、「登録商標第○○○○○号」です(商標法施行規則第17条)。
なお、®は、米国特許商標庁で登録されていることを意味します。「Registered
in U.S. Patent and Trademark Office」若しくは「Reg. U.S. Pat.
& Tm. Off.」の文言と同じ意味を表します(米国商標法§1111)。また、「TM」は“trademark”(商品商標)を、「SM」は“service mark”(役務商標)を表します。米国では出願して登録を受けなくても商標の使用の事実があれば権利が発生します。
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Q2.商標登録出願を依頼したいのですが、何を用意すればよいですか?
A2.商標登録出願に当たっては、次の①~③の事項を記載した「願書」を特許庁長官に提出しなければなりません(商標法第5条第1項)。
① 商標登録出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
② 商標登録を受けようとする商標
③ 指定商品又は指定役務
従いまして、出願をご依頼いただく場合、上記①~③の事項をご明示ください。
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Q3.商標権を取得した場合の利点を教えてください。
A3.商標権は、設定の登録により発生し(商標法第18条第1項)、商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有します(商標法第25条)。すなわち、商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標を独占的に使用することができます。また、侵害者に対し、差止請求権(商標法第36条)、損害賠償請求権(商標法第38条)等を行使することができます。
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Q4.商標の出願をして、審査の結果がわかるまでどの位の日数がかかりますか。
A4.担当する審査官の人数は大体決まっているので、出願件数や指定する商品(役務)等により審査期間は左右されますが、大凡数か月で最初の審査結果が出ているようです。
特許庁のホームページで「商標登録出願に関する審査着手予定等」を公表していますので、詳しくはそちらをご覧ください。また、「審査状況伺書」を提出することにより、審査着手後の状況を知ることができます。
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Q5.出願した商標をすぐ使いたいので、もう少し早く、審査の結果を知りたいのですが。
A5.商品のライフサイクルの短縮化等に対処するために設けられた早期審査制度を利用することができます。
早期審査の対象となるのは、次の(1)から(3)のいずれかに該当する出願です。
(1)出願人又はライセンシーが、出願商標を指定商品・指定役務に使用している又は使用の準備を相当程度進めていて、かつ、権利化について緊急性を要する出願
※「権利化について緊急性を要する出願」とは、次のa)~e)いずれかに該当するものをいいます。
a) 第三者が許諾なく、出願商標又は出願商標に類似する商標を出願人若しくはライセンシーの使用若しくは使用の準備に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用している又は使用の準備を相当程度進めていることが明らかな場合
b) 出願商標の使用について、第三者から警告を受けている場合
c) 出願商標について、第三者から使用許諾を求められている場合
d) 出願商標について、出願人が日本国特許庁以外の特許庁又は政府間機関へも出願している場合
e) 出願商標について、出願人がマドリッド協定議定書に基づく国際登録出願の基礎出願として国際登録の出願を行う場合
(2)出願人又はライセンシーが、出願商標を既に使用している商品・役務又は使用の準備を相当程度進めている商品・役務のみを指定している出願
(3)出願人又はライセンシーが、出願商標を指定商品・指定役務に既に使用している又は使用の準備を相当程度進めていて、かつ、商標法施行規則別表や類似商品・役務審査基準等に掲載されている商品・役務のみを指定している出願
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Q6.商標には、登録料の減免制度はないのですか。
A6.ありません。なお、特許には特許料等の減免制度があります。
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Q7.文字、図形以外で商標として登録できるものはありますか。
A7.特許法等の一部を改正する法律(平成26年5月14日法律第36号)により、商標法が改正され、平成27年4月1日から、色彩のみからなる商標、音商標など、これまで商標として登録し保護することができなかった商標について登録をすることができるようになりました。
具体的には、次の5つのタイプです。
(1)動き商標
文字や図形等が時間の経過に伴って変化する商標
(例えば、テレビやコンピューター画面等に映し出される変化する文字や図形など)
(2)ホログラム商標
文字や図形等がホログラフィーその他の方法により変化する商標
(見る角度によって変化して見える文字や図形など)
(3)色彩のみからなる商標
単色又は複数の色彩の組合せのみからなる商標(これまでの図形等と色彩が結合したものではない商標)
(例えば、商品の包装紙や広告用の看板に使用される色彩など)
(4)音商標
音楽、音声、自然音等からなる商標であり、聴覚で認識される商標
(例えば、CMなどに使われるサウンドロゴやパソコンの起動音など)
(5)位置商標
文字や図形等の標章を商品等に付す位置が特定される商標
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Q8.ショッピングカートや店員の制服などに使用する商標について登録を受けられますか。
A8.小売等役務商標制度が利用できます。これは、小売業、卸売業の方々が使用するマークをサービスマーク(役務商標)として保護するものです。
広範な商品を扱っている場合でも、安価に権利取得が可能です。
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Q9.自社商品(例えば、化粧品)の販売広告に使用する商標を取得したいのですが、この場合、第35類「広告業」の指定役務に該当しますか。
A9.この場合、指定商品(役務)は、第3類「化粧品」となります。
商標法上の役務とは、「他人のために行う労務又は便益であって、独立して商取引の目的たりうべきものをいう」と定義されています。
従って、自社商品の販売広告に商標を使用する行為は、役務としての「広告業」にあたりません。
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Q10.出願料(印紙代)が同じなので、指定区分内の全ての商品(役務)を指定できますか。
A10.指定区分内の全ての商品(役務)を指定することは可能です。しかしながら、商品又は役務の指定が広範な範囲に及んでいるため、指定商品又は指定役務について商標の使用又は使用の意思があることに疑義があるとして、その確認が行われます。
具体的には、原則として、1区分内において、8以上の類似群コードにわたる商品又は役務を指定している場合は、商標法第3条第1項柱書の拒絶理由が通知されます(ただし、出願当初から「商標の使用又は使用意思に関する証明書類等」が提出された場合を除く。)。
この拒絶理由通知に対し、出願人は「商標の使用又は使用意思に関する証明書類等」を提出して上記8以上の類似群コードにわたる商品(役務)について使用の事実又は使用する意思があることを証明すれば、拒絶理由は解消されます。
また、上記商品(役務)の中から、使用している又は使用する意思のある商品又は役務を限定する補正をし、類似群コードを8未満にすれば、同様に拒絶理由は解消されます。